医療現場における看護師の比重は大きく、病院勤務者のおよそ6割が看護師だとするデータがあります。その病院内の大きな組織として存在している看護部の全部、または一部を管理しているのが、看護管理者です。
看護管理者になるのに特別な資格は要りませんが、医療機関によっては管理職登用の試験制度を導入している所もあります。それ以外は、経験や能力のある看護師の中から抜擢されることが多いのが現実としてあります。その際、認定看護管理者の資格を持っていると優遇されやすいです。
看護管理者と言っても、その職務内容は一様ではありませんが、一般的には看護部長・看護師長・看護主任といった役職が与えられます。いずれもスタッフを束ねる立場であることは変わらないので、組織を管理する能力が不可欠です。この管理の対象には、財務や情報、時間なども含まれます。
また安全の維持に努める一方、想定されるリスクを回避し、万が一トラブルが発生した際には適切な処置を取る「危機管理能力」、人材育成も含めた「人材管理能力」も欠かせません。
他にも、看護の質を高めるシステムを構築する「立案力」や、新しいアイデアを生み出す「創造性」も求められます。担当分野のトップとして、スタッフに的確な指示やビジョンを示したり、他の部門との意思疎通を図るコミュニケーションスキルも必要です。
このように一般のスタッフと比べ、看護管理者には様々な能力やスキルが求められるのは間違いありません。看護管理者を目指すなら、学会や研修などで労務管理やマネジメントへの理解を深め、スキルを磨くことが大切です。